揖保乃糸の特色
揖保乃糸を顕微鏡で見ると、小麦粉に含まれるたんぱく質であるグルテン繊維が縄状に緻密に配列し、グルテンが澱粉質を包み込みます。これは、手延そうめん製法の特徴である、ねかしと、縒(よ)りをかけながら延ばしの繰り返しの結果、得られるものです。このグルテン繊維の緻密な構造が手延素麺「揖保乃糸」の美味しさの秘密です。
揖保乃糸の、ゆでのびしにくく、滑らかで舌ざわりがよく、コシがあって歯切れがよい食感は、機械製そうめんや手打ち、パスタなどの他の製法では得られず、長年にわたって高い評価をいただいております。
揖保乃糸の帯
手延そうめん「揖保乃糸」には、小麦粉の質や原材料やめんの細さ、製造時期などの違いによって、いくつかの等級があります。
等 級 | 特 徴 |
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上質の原料小麦粉を使用して、厳寒期(12月〜翌年2月)につくられる絶品です。製造は組合が選抜指定した熟練製造者に限定されています。
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国内産小麦だけを使用したそうめんです。絹のように輝く細さと、ゆがいた後の麺のつやも良く、もちもちとした食感、そして小麦本来の風味が味わえる逸品です。
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素材の播州小麦の特性は、丹精込めて育まれた、粘りが持ち味の小麦「ふくほのか」と、弾力性のある小麦「ゆめちから」を使用し、小麦の旨味を最大限ひきだすブレンドで、更に美味しい手延べそうめんへと生まれ変わりました。
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「揖保乃糸」の職人技の伝承を目的に誕生した、厚生労働省認定の国家資格である「製麺技能士」有資格者謹製の手延そうめんです。製造後1年間、組合専用倉庫にてゆっくりと熟成させた手延そうめんです。
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「揖保乃糸」の中で歴史のある帯の手延そうめんで、全生産量のおよそ80%を占め、最もご愛顧頂いている名品です。
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三味線の「ばち」の形に似ていることから、こう呼ばれています。手延そうめんは上下2本の管(くだ)に掛けて引き延ばし、乾燥をして仕上げられますが、下管の部分は特に粘りが強く、美味、珍味として、食通の人や地元の人々に重宝がられています。製品になるのは下管部分だけのため、その生産量には限りがあります。お吸い物やお味噌汁などにそうめんとは一味違った感覚でお召し上がりください。 |
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素麺よりやや太く仕上げて歯ごたえを出し、ひやむぎ専用の小麦粉を使用することによりソフトな舌触りを強調しています。赤、青2色の色麺がいろどりを加え、さっぱりとした味わいは四季を通じて楽しんで頂けます。
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特定の製粉メーカーの小麦粉を原料とし、粉の持つ旨みを充分に引き出し、麺の形状をやや扁平に仕上げ茹で時間の短縮を図り、しかも長時間煮崩れせず、お鍋や釜揚げうどん、煮込みうどん、冷やしうどん等に幅広くご利用して頂けます。
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手延うどん揖保乃糸「聖」同様小麦粉は、特定の製粉メーカーを指定し、厳選された粉を使用しています。小麦粉をゆっくりと練り上げ熟成を重ねて、舌触りとコシの強いうどんに仕上げています。
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揖保乃糸の用語
揖保乃糸のひね(古)
「揖保乃糸」は毎年限られた時期につくられます。
管理の行き届いた倉庫で1年間寝かせて、熟成させたものを「ひね(古)」と呼んでいます。また、寝かさずに、製造された年のうちに出荷されるものを「しん(新)」といいます。
保管されている間素麺は、原料小麦粉に含まれる酵素の働きにより成分の化学変化、物質変化がおこりコシが強くなり、食感が良くなります。数ある素麺の中でも珍重されているのが揖保乃糸の「ひね」です。
「ひね」のある種類として、『上級品』と『特級品』があります。ぜひ一度、「しん」と食べ比べして、食感の違いをご堪能ください。
揖保乃糸の厄(やく)現象
熟成倉庫でじっくり寝かせることを「厄(やく)」といい、梅雨の時期に厄のピークをむかえます。
保管されているそうめんは、原料小麦粉に含まれる酵素の働きによって、成分の化学変化、物性変化が起こり、コシが強くなり、食感が良くなります。
揖保乃糸を美味しく食べるコツ
手延素麺揖保乃糸は、小麦粉と塩水をよくこね合わせて、二昼夜の熟成を重ねて引延ばし、乾燥させた全く天然の食品であり、薬剤等は一切使用していない健康食品であります。
したがって、周囲の環境に支配され易いものですから、次の事柄に充分ご注意下さいます様お願い致します。
保存方法
湿気がこもりやすいところにおいておくと、カビや虫がつきやすいので、直射日光があたらない風通しのよいところに保存してください。床下収納や押入は避けた方が無難です。
冷蔵庫での保存も問題はありませんが、その場合はパックとかに移し替えておきましょう。
木箱のまま長く保存するときは、ときどき蓋をあけてやってそうめんの状態を確認するように心がけましょう。
におい
そうめんには特有の香りがありますが、これは「綿実油」のにおいによるものです。
昔ながらの手延べの製法というのは、何度も何度もヨリをかけて引きのばし、 熟成かけては引きのばすという工程を繰り返して細い細い1本の白い麺にしていきます。そのときに、麺と麺がくっつかないようにしたり、麺生地の乾燥を防ぐために、少量の食用綿実油を塗布します。
この綿実油のにおいは、そうめんをゆでたあと、よくもみ洗いするすればほとんどの場合なくなります。
また、そうめんは他のものの匂いがつきやすいので、冷蔵庫での保存の際には匂いの強いものが一緒にならないように注意しましょう。
賞味期限
賞味期限は、最良の保存状態のもとで美味しく食べていただける期間です。
いくら賞味期限内であっても、ジメジメしたところで保存したり、においの強いものと一緒に置いていれば、本来の揖保乃糸を味わうことはできません。
また、長く保存すると、どうしてもカビや虫・油臭が発生しやすくなります。
そういったことから、なるべく買った時に食べるのが一番おいしく食べられるコツとなります。
そうめん | 3年6ヶ月 |
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冷麦 | 2年 |
うどん | 1年 |